【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
訓練後の夕暮れ時、少し湿った風がコンクリートの廊下を吹き抜ける。訓練棟の休憩スペースで、航太は自販機の前に立ち、ペットボトルの水を人数分手に取った。
「ほら、座って休め。喉乾いただろ」
硬直気味に立っていた新人たちは、恐縮しながらベンチに腰を下ろし、渡された水に小さく頭を下げた。
沈黙の中で数秒、航太は軽く笑って、少し肩の力を抜いた。
「なあ……自分の命を盾にする覚悟、あるか?」
不意に問われた言葉に、新人たちは一瞬目を見合わせた後、小さな声で「あります」と返す。しかしその声には、揺らぎが滲んでいた。
それを聞いた航太は、ふっと笑った。
「そうか。でもな、覚悟なんてのは――現場に出て、作っていくもんなんだよ」
新人たちが少しだけ目を見開いたのを見て、航太は静かに言葉を続けた。
「実際、脅威に晒されたら足がすくむし、逃げたくもなる。それが人間だ。だけど、警護ってのは1人じゃやらない。他にも仲間がいる。まずは、冷静に周囲を見て、判断することが大事だ」
ペットボトルのキャップを開け、航太は一口飲んでから言った。
「たとえうまくいかなくても、自分だけを責めるなよ。現場はチームで動いてる。1人の責任で全部が決まるなんてことは、ない」
新人たちの中で、何かがすっと溶けていくような空気が流れた。
「警護官を目指すってことは、それだけで相当な覚悟と責任感がある証拠だ。だからこそ、先に言っておきたかったんだよ」
その言葉に、新人たちは黙って頷いた。
どこか、最初よりも顔つきが引き締まっていた。
航太はその様子を見て、満足げに短く息をついた。
「ほら、座って休め。喉乾いただろ」
硬直気味に立っていた新人たちは、恐縮しながらベンチに腰を下ろし、渡された水に小さく頭を下げた。
沈黙の中で数秒、航太は軽く笑って、少し肩の力を抜いた。
「なあ……自分の命を盾にする覚悟、あるか?」
不意に問われた言葉に、新人たちは一瞬目を見合わせた後、小さな声で「あります」と返す。しかしその声には、揺らぎが滲んでいた。
それを聞いた航太は、ふっと笑った。
「そうか。でもな、覚悟なんてのは――現場に出て、作っていくもんなんだよ」
新人たちが少しだけ目を見開いたのを見て、航太は静かに言葉を続けた。
「実際、脅威に晒されたら足がすくむし、逃げたくもなる。それが人間だ。だけど、警護ってのは1人じゃやらない。他にも仲間がいる。まずは、冷静に周囲を見て、判断することが大事だ」
ペットボトルのキャップを開け、航太は一口飲んでから言った。
「たとえうまくいかなくても、自分だけを責めるなよ。現場はチームで動いてる。1人の責任で全部が決まるなんてことは、ない」
新人たちの中で、何かがすっと溶けていくような空気が流れた。
「警護官を目指すってことは、それだけで相当な覚悟と責任感がある証拠だ。だからこそ、先に言っておきたかったんだよ」
その言葉に、新人たちは黙って頷いた。
どこか、最初よりも顔つきが引き締まっていた。
航太はその様子を見て、満足げに短く息をついた。