【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
東都大学病院の受付で、代わりに航太が静かに名前を告げた。「一ノ瀬紗良です、鶴田先生にご連絡しております。」

受付スタッフはすぐに反応し、微笑みながら答えた。
「お待ちしておりました。こちらです。」と、案内された通りに進んでいく。

待合室に座ることなく、すぐに診察室へ案内されると、そこには鶴田医師の姿があった。
彼はすでに診察の準備を整えており、紗良が入ると、落ち着いた表情で迎えてくれた。

「一ノ瀬さん、具合はどうですか?」

鶴田の声は優しく、しかしどこか真剣な眼差しで紗良を見守っていた。
紗良は軽く頷きながら、まだ体調が優れない様子を見せた。

航太はその様子を静かに見守りながら、少しでも安心させるために、紗良の肩を軽く叩いた。
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