【番外編】SP 橘は、“甘やかし専門医”です
処置室に案内され、紗良はそっと椅子に腰を下ろす。
看護師が柔らかな声で話しかけた。
「今まで、採血で気分が悪くなったり、倒れたことはありますか?」
だが、紗良は何も答えなかった。目を伏せたまま、固まっている。
沈黙が数秒続き、看護師は少し困ったように視線を航太へと向けた。
「……どうしましょうか」
その無言の問いかけに、航太はすぐに応じた。
「倒れたことはありません。ただ、極度の注射嫌いなので。……横になって採血したほうが、安全だと思います。」
看護師は一瞬目を丸くしたあと、ふっと笑みを浮かべた。
「そうなんですね。じゃあ、ベッドで横になりましょう。たくさんお声かけしますので、安心してくださいね。」
声をかけながら、看護師は落ち着いた手つきで準備を始めた。
針やチューブを並べながらも、決して紗良の不安を煽らぬよう、穏やかに、優しい空気を保っている。
航太はそんな様子を見つめながら、そっと紗良の手を握った。
冷たくこわばっていたその手が、少しずつ温もりを取り戻していくようだった。
看護師が柔らかな声で話しかけた。
「今まで、採血で気分が悪くなったり、倒れたことはありますか?」
だが、紗良は何も答えなかった。目を伏せたまま、固まっている。
沈黙が数秒続き、看護師は少し困ったように視線を航太へと向けた。
「……どうしましょうか」
その無言の問いかけに、航太はすぐに応じた。
「倒れたことはありません。ただ、極度の注射嫌いなので。……横になって採血したほうが、安全だと思います。」
看護師は一瞬目を丸くしたあと、ふっと笑みを浮かべた。
「そうなんですね。じゃあ、ベッドで横になりましょう。たくさんお声かけしますので、安心してくださいね。」
声をかけながら、看護師は落ち着いた手つきで準備を始めた。
針やチューブを並べながらも、決して紗良の不安を煽らぬよう、穏やかに、優しい空気を保っている。
航太はそんな様子を見つめながら、そっと紗良の手を握った。
冷たくこわばっていたその手が、少しずつ温もりを取り戻していくようだった。