無自覚男子にキュン!



「じゃあ初美ちゃん、また後でね」



初美ちゃんを見つめる航くんの表情は、私に向ける表情と少し近い。


あたたかい目をしている。


航くんの友情に口を挟むわけではないが、もしこれに恋愛感情があるのだとすれば、私の立場は航くんや初美ちゃんからしたら厄介者でしかない。


ちゃんとしないと。


私の気持ちも全部。



航くんの私に対する優しさは特別ではないのかな、なんてね。



「航くん、ごめんね。
早く終わらせるから!任せて!」



「え?」



うわ、うわわわわ!


な、なに言ってるんだ私ってば。


こんなの"謝らなくていいよ"待ちの人だよ。


やばいやばい。


あ〜どうして私はこんなに人と話すのが下手なんだ。


こっち見てるこっち見てる。


ものすごくぽかーんとした表情でこちらを見ている。



「ええと、いや、違くて」


なにが違うんだよ、もお〜!


心の中で1人ツッコミをする余裕はあるのに、言葉に出すとダメになる。


航くんのことを意識しすぎなんだよね、私は。



「ん?お前、なんか顔真っ赤やないと?」


「馬鹿ッ!」



青空くんの言葉に、一瞬の間も与えずに貝崎さんがツッコむ。


それには救われたが、航くんの表情は変わらないまま。



「まーなんでもいいけど、ちゃんと放課後、約束ね」



"なんでもいい"かぁ〜!


マイペースな航くんからしたらこの言葉に深い意味はないんだろうけど、私は気にしちゃうな。


ほんと、面倒くさい私だ。



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