モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています

「今は若手実業家とチヤホヤされても、この先どうなるかわからんだろうが!」
「そんなん警官だって一つミスったら出世の道は絶たれるんだから同じことだ!」
「そんなことさせるか! 山科は俺が買っている男だぞ!?」
「それを言うなら俺だって理貴を評価してるわ! あいつ警察庁(サッチョウ)試験合格しているし、頭だけなら理貴の勝ちだ!」 
「っつ! あ……頭でっかちの男に国を守れるか!」
 
 くだらない口喧嘩を繰り広げている兄弟に挟まれ困ったあかりが両親を見ると、そっちはそっちで盛り上がっていた。あかりと目が合うと、強面の父親は腕を組みながら「父さんはまだ結婚しなくていいと思うぞ」と泣きそうな顔で言ってくるし、母親は「あかりはがさつなんだから、貰ってくれるうちが花よ」と父親を説得していた。

「ってか、これ以上身内に警察官増えたら息苦しいだろうが!」

 自分のことを棚に上げた幸人の口から本音が飛び出した瞬間、パンッと手を叩く音が響いた。

 音の主は、今まで静観していた祖父である。
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