モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
突然ぶっ込まれた事実に驚いたあかりが顔を上げた瞬間に、幸人は肉を掻っ攫う。あぁ、と切ない声を上げながら肩を落としたあかりは、再び肉を網に乗せながら幸人を睨みつけた。
「何でも筒抜けじゃん」
「そりゃあそうでしょ」
幸人は当たり前だというように返事をする。
「あかりは理貴がどんだけ想っていたのか知らないから。……こんながさつな女、何度も辞めとけ、って俺の忠告も聞かないし」
深いため息をつく幸人に腹が立つが、追求すると話の腰が折れる。あかりは言葉を飲み込んで幸人に訊ねる。
「理貴が警察庁に合格してたってホント?」
「ホントホント」
もぐもぐと口を動かしながら幸人は答える。
「受かったのになんで蹴ったのよ?」
あかりは当然の疑問を幸人にぶつけた。だが幸人は「さぁ?」ととぼける。
「知ってるでしょ、アンタ。しらばっくれないの!」
あかりの強い口調などに動じる幸人ではない。さも当たり前のようにあかりの焼いた肉を横取りすると、幸人はシンプルに答えた。
「自分で聞け」
「それができないから……」
聞いているんでしょ、と続けようとした言葉は、幸人の鋭い目に黙殺された。