モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
『まさにぃに聞いた』
「やっぱりー」
長兄の雅人の名を告げる弟にあかりはがっくり肩を落とした。
長兄の雅人も、警視庁所属なのだ。高卒のあかりと違って、雅人は大卒のキャリア様だが。
普段連絡を密に取る兄弟じゃないのに、こういうときだけ情報は筒抜けなのだ。
ここまでプライバシーがないとは。憧れていた職とはいえ、母と次兄以外は警官というのと考えものである。
その母も元婦警だ。全く無関係の職についているのは次兄しかいない、祖父の代から由緒正しい警察一家の福田家なのだ。
『ま、理貴と連絡取ってやってよ。あいつずっとあかりがフリーになるの待っていたんだから』
「えっ?どういう……」
あかりが言い終わる前に、話は終わったとばかりに幸人は通話を切ったのだった。