モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
プライベートより呼び出し優先です
フリーになるのを待っていた、という幸人の言葉は本当だったようだ。
理貴からちょくちょく連絡が来るようになった。
その度に体よく断っていたのだが、理貴は気にした様子もなく、またしばらくしたら連絡が来る。
さすがに断りきれなくて、飲みに行く約束をしたのだった。
「あかりちゃん、ビールでいい?」
「うん」
呼び出しボタンで店員を呼ぶと、ビール2つと焼き鳥やツマミをいくつか頼む理貴。
今日の理貴はカジュアルに、ジャケットにチノパンという格好だ。あかりは変わらず通勤服にしているパンツスーツである。
素早く届いたビールを飲み干す理貴をあかりは何となく見つめる。
(何を考えているんだか……)
再会したときに言っていた「結婚」の話は、その場で丁重に断った。
それでも懲りずに理貴は何度も誘ってくるのだ。
流石にしつこい、となって無下に断ろうとしたタイミングで理貴に先手を取られる。
「目的がないと誘っちゃ駄目なんだ?」
「そういうわけじゃないけれど」
「なら、昔なじみの飲み友達ってことでどう?」