モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています

 遅かれ早かれ早野には伝えようと思っていたことではある。あるのだが、相談し慣れてないあかりにとっては決死の覚悟で伝えた事柄だったのに、早野の第一声にあかりの体からヘナヘナと力が抜ける。
「面白いって……」
「だってそうでしょう? そんなマンガみたいな展開、外から見ていると面白い以外の言葉、出ないでしょうよ」
 ぐいっとビールを飲み干して、早野はさっさと自分だけおかわりを頼む。あかりはチビチビと残ったビールを舐める。

「で、結局どっちの案件にするの?」
「や、そんなモノみたいに」
「でも決めないといけないんでしょ、どちらかに。どちらが優良物件か、比べてみたでしょ?」
 追加で来たビールを一口で半分ほど飲み干した早野は、あかりに問いかける。
「比べてないです」
 あかりは半分投げやりに答える。
「嘘でしょ、そんなの」
 早野はあかりの答えを即座に否定する。

「山科くんも男前だけど、幼馴染くんもなかなかイケメンじゃん。写真で見ただけだけど。そんな男二人に言い寄られて比べない子いないでしょ」
「……ここにいますよ」
「嘘だぁ!」
 早野は先程と同じ言葉を繰り返す。
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