モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
残されたあかりはまだ赤い顔のまま、呆然と早野を見送る。
早野が言い残した言葉が頭の中をグルグルと回転していた。
あかりだって理貴に言われてから何度も二人を並べてみた。けれど肝心なところに差し掛かると強制的に思考を停止して、それ以上考えないようにしていたのに。
早野の畳み掛ける質問によって心の内があぶり出されたのだ。
(理貴……のキスを思い出すなんて……っ!)
あかりは手のひらで覆っていた唇を噛みしめる。
たった一度の――それも強引に重ねられたのに。理貴の唇は柔らかくて、そして微かに震えていた。
経験が豊富でないあかりには、理貴のキスが上手いのか下手なのかは判断がつかない。けれど、理貴が生半可な気持ちでキスをしたのではないことは、重ねられた唇から伝わって来ていた。
理貴の気持ちなんかとっくに知っている。改めて思い知らされたところで。
「どうすればいいのよ……」
「何がだ?」