モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 突然振ってきた聞いたことのある声にあかりはビクッとなって顔を上げる。
 そこには予想通り、颯が立っていた。

「なん……で……?」
「早野サンに呼び出された」

 急いで来たのだろう、颯の額にはうっすら汗が滲んでいるし、僅かだけど息が上がっている。
 颯は先程まで早野が座っていた席に腰を掛けると、ビールを二つ注文する。
 間を置かずジョッキがテーブルに置かれる。

「飲め、とりあえず」
 颯は、あかりのジョッキと自分のソレを軽く合わせると、一息に中の液体を流し込んだ。
 あかりもしぶしぶながら、ビールに口をつける。

「……仕事は?」
「終わっていないが、終わらせたことにした。……早野さんに緊急だと言われたからな」
 その言い回しにあかりはゲンナリする。早野はなんと言って颯を呼び出したのか、考えたくもない。
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