モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています

「それまでも薄々はおかしいと感じることはあった。養父の方の祖父母の態度がオレと従兄弟で若干違うこと、そしてオレにだけ定期的に会いに来る年寄り夫婦。……戸籍謄本を見た後で腑に落ちたよ。その夫婦が父方の祖父母だと。彼らに面会している時に実父のことを訊ねて、それで両親の死因を初めて知った」
「知って……どうしたんですか? その、……育ててくださっている伯母様夫妻には」
 別れた男に聞くには立ち入った質問である。が、あかりは思わず訊ねてしまっていた。
 颯は気を悪くした様子もなく淡々と答える。
 
「まぁ、知ったところで言えないよな。黙っていた。ただ、実の両親が育ての親と違う事実に変に納得はしていた。幼い頃から何故か無性に警察官という仕事に憧れを抱いていたんだ。使命感といってもいい。親は……養父母はさり気なく警察官という職業をオレから遠ざけようとしていたが、そうすればするほど、焦がれていった。採用に有利だと知ってずっと柔道を続けていたくらいだしな」
 ふぅ、と一息ついた颯は喉を潤すかのようにビールを一気に飲み干した。酒の勢いを借りないと話せないといった様子の颯は追加で同じものを頼むと、店員が運んでくるのを待って続きを口にした。
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