モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
颯の生い立ちには初めて聞くことで驚いたのは事実だ。育ててくれた養母に警官でいるなら独身でいろと言われたから。颯はあかりが結婚を口にした際に別れを選んだのか。
ならば、別れた後プロポーズしてきた颯の行動の意味がわからない。
颯は訝しんでいるあかりの様子に気づいて、フォローするように口を開いた。
「当の本人はスッカリ忘れていて、今は「早く結婚しろっ!」って煩いんだがな……。だから、あかりが結婚したいと伝えてくれた時に別れを選んだのは、親は関係ない。オレ自身の意志だ」
「……っ!」
改めて颯の口から別れたのは彼自身の考えと告げられると、あの時の足元が崩れ落ちる感覚が即座に蘇る。
無意識に手のひらを固く握りしめたあかりの手を包むように、颯の手が重ねられた。