モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


「もちろん、養母の言った言葉が全く影響していないとは断言しない。だが、この職について思ったんだ。子どもが出来たら夫婦共に現役で居続けるのは難しい仕事だと。忙しいのは当たり前だし、家庭より現場優先だ」
「それは……」
 颯の言うことは一理ある。結婚を機に激務を続けられないと辞めていく層は男女問わず一定数いる。
 警察官である以上、一定期間での転勤はつきものだ。通える範囲で異動なら問題ないが、転居を伴うとなれば家族毎引っ越すか、単身赴任かを選択しないとならない。
 昨今は配慮されてきているとはいえ、祖父母の助けなしに夫婦だけで子育てするのは厳しいものがある。
 職務上仕方ないとはいえ、家庭を顧みない働き方を求められる場面も多い。昇給試験に合格し、責任のある立場になればなるほど、家庭が犠牲になる可能性は高まる。
 だから警察官はバツイチも多いし、家庭の事情で忙しい部署から異動を希望する人も増えてきている。それが出世コースから外れたとしても。
 もちろん、警察官は腐っても公務員だ。産休育休時短勤務など、福利厚生は整っているし、夫婦共に警察官の場合は配属先も考慮されるようになっている。
 そんな状況にも関わらず、環境は劇的に変わっていないところをみると、まだ旧態依然とした環境が残っているせいであろう。
 それが悪いことだと断じきれないのは、あかりも現状をよく知っているからだ。
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