モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
「決して中途半端に付き合ってきたわけじゃない。結婚だって考えていた。だけど、オレの根っことでもいうのかな、奥深くに部分に職業柄家庭を持つことにためらいもあった。必要な仕事だと分かっているが、自身の両親のように勤務中に死ぬ可能性だってゼロではない。そもそも今の働き方をしている自分に家庭を築けるか。そう思うと、どうしても二の足を踏んでしまっていた。……出世には結婚している方が有利だとわかっていたけれど、決断は出来なかった。……いい夫で父親になるイメージもなかったしな」
「そんな……」
颯はあかりの言葉に「事実だろう」と首を振る。
「そしてオレほどではないが、あかりも器用じゃないのは知っている」
不本意だったが、事実でもある。あかりはしぶしぶながら頷いた。
「そんな仏頂面するなって。そこに惹かれたんだから」
一言で赤くなったあかりに、フッと颯は吹き出した。
「真面目で仕事熱心で、妥協を知らない。少々手を抜けば、と思うこともあるが、お前は優秀だよ」
手放しの称賛にあかりは照れてしまう。今日の颯はおかしい。こんなに直球を口にするタイプではないはずなのに。
あかりが戸惑っているのに構わず、颯は続けた。