モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
「もう遅いかもしれないが、別れて、他の男が現れて、やっと覚悟が決まった。……今の仕事とあかり、一つしか選べないなら。オレはあかりを選ぶ」
颯の言葉に、堪えきれずあかりの目から涙が溢れ出る。
別れ話をした時も、別れた後も涙など流さなかったのに。溜めに溜めていた雫はダムが崩壊したかのように、止まらない。
何に対して涙が流れてくるのか、あかり自身にもわからない。だから颯に見られたくなくて目を伏せる。
ボタボタとテーブルの上に大粒の水滴が落ちるが、あかりにはどうしようもなかった。
そんなあかりの頭にそっと手を置いた颯は静かに訊ねた。
「二ヶ月前に決断できなくて、済まなかった。……まだ間に合うか?」
頷くことも首を振ることもできないあかりは、ただ、自身が零している雫をジッと見ているしか出来なかった。