モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
ヤケクソと良識と
「後悔しないな?」
そう言うなり、颯はあかりを抱きかかえてベッドに連れて行く。颯にとっては勝手知ったる家だ。最短距離で向かったベッドにあかりを横たえると、自分もそのまま乗り上がった。
覆いかぶさった颯の左腕はあかりの逃げ道を塞ぎ、反対の手で器用に上着を脱ぎ捨てるとネクタイの結び目を解く。
その仕草はよく見知っているものだ。このあとされる手順も予想がつく。
案の定、颯はあかりの後頭部に触れ、キスをする。軽く頭を持ち上げながら器用に片手でジャケットを脱がすと、ブラウスのボタンに手を掛けた。
あかりはギュッと目を閉じた。
これが正解のはずだ。
理貴のことが頭にちらつくのは、キスされたことが引っかかっているだけだ。そもそも理貴はもう一人の弟のようなもの。一時的に熱に侵されているだけで、時間が経てば忘れられる類のものだ。
元々颯との将来を考えていた。別れた時に断腸の思いで気持ちに蓋をしたことを今も引きずっているけれど、颯の全てを受け入れさえすれば元に戻るはず。