モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 (だって、キスされたのは……イヤじゃなかった……から)

 それをいうなら理貴の口づけだって、と一瞬頭によぎったことは強制的に考えないようにした。

 颯を受け入れて、再び付き合って。颯も結婚の覚悟を決めているのだ。トントン拍子で話は進んで行くのだろう。
 人柄も申し分ない。恋人として颯に不満はなかったし、警察官としての将来性もある。両親も問題なく受け入れるだろう。
 颯があかりと結婚したら警察官を辞める、という一言は気にかかるけれど、それ以外は何も問題ない。

 抱かれさえすれば。きっと全てうまく行く。

 固く目を瞑っていたあかりは、何か考えるように眉間にシワを寄せていた颯の表情は見ることができなかった。
 いつの間にか颯の動きが止まっているのに気付いたあかりは、ゆるゆると目を開ける。と、同時に颯の深いため息が振ってきたかと思うと、鎖骨のすぐ上あたりをきつく吸われた。
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