モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


「いっ……っつぅ!」
 痛みを伴うくらいきつく吸われたあかりの口から思わず抗議の声が漏れる。颯は再び嘆息したかと思うと、あかりの上から隣にドサリと体を移動させた。
「止めだ、止め」
「な……」
「なんで、とか聞くなよ。こっちだって今、理性を総動員して止めているんだからな」
 叱るような口調であかりの言葉を封じると、颯はボソリと吐き出した。
「話を聞いて同情したんだろうが。とはいえ、フラフラ揺らいでいるヤツを無理やり手籠めにするほど、人でなしでないつもりだ。どうせお前のことだ。オレに抱かれたら、揺らいでいる気持ちが固まるとでも安易に考えたんだろうが」
「……!」

 心の中を見透かしたような颯のセリフにあかりは言葉を失った。
 颯は息を吐くと、天井を見上げながらあかりに問いかける。
「抱くのは構わんさ。それで絆されるのも。だが、いいのか? ()()()()()()()()()()()()()()()()
 あかりは言葉に詰まる。颯に言われたセリフは、あかりが警察官として大切にしている指標の一つだからだ。

 あかりが警察官を続けるか迷っていた時に、他でもない颯に掛けられた言葉でもある。
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