モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
悩んだときは馴染みの稽古を
起きたら、目がパンパンに腫れていた。いつ寝たのかハッキリと覚えていない。辛うじてベッドに体を横たえていたが、目をつぶれば交互に二人のことが頭をよぎり、その度に胸を締め付けられ、布団を濡らしていたのだ。
いつの間にか気絶するようにして眠りに落ちたようだが、取れた睡眠は僅かだったようだ。
腫れぼったい目とカラカラに乾いた喉、そして泣きすぎてズキズキと痛む頭を押さえながら起きたあかりはテレビのスイッチを付けた。
『昨日、熱愛が報じられた藤井理貴社長が配信で熱愛を否定しました』
聞こえてきた声にギョッとしたあかりは思わず画面に釘付けになる。
『まずはお騒がせしておりますことをお詫び申し上げます。特に彼女のファンの皆様にはご心配をおかけし、申し訳ございません。彼女――早見七星さんは、ご存知の通り弊社の広告に出演して頂いております。弊社の認知度アップに貢献して頂いている素敵な女優さんで、代表取締役として大変感謝しております。ですが、私個人としてのお付き合いはございません』
いつもよりかっちりした髪型に、ダークのスーツは見知っている理貴とは違う雰囲気を醸し出していた。食い入るように画面を見つめているあかりの期待に答えるかのように、更にVTRは続く。