モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています



「遅かったな」
 先にシャワーを浴びて着替えを済ませた祖父の注意を受け流したあかりは、向かいに腰掛けて水を持ってきたマスターに「いつものでいいかい?」と聞かれる。頷きかけたあかりは一瞬考えた末、ナポリタンスパゲティとコーヒーを注文した。
 目を見張り驚きを表したのは祖父だった。

 あかりは四人の内孫の中でも冒険しないタイプである。というより、兄二人に弟の男兄弟に挟まれたあかりは、やいのやいのいう男共に挟まれて振り回されていた。
 自己主張しないわけではないのだが、どこか自分の気持ちに鈍感であった。だから幼い頃から兄弟たちとこの店を訪れていたあかりは、男共がその時の気分で頼む品を変えている側で、常にオムライスとコーヒーをオーダーしていたのだ。
 違いといえば、せいぜい小さい時はコーヒーがジュースであったり、夏はホットがアイスのコーヒーに変わるくらいの差である。
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