モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 今日も祖父はいつものようにあかりの話を腕を組みながら黙って聞いていた。すべて話し終えたあかりに祖父は決まり文句のように「自分で考えなさい」と告げる。
「うん、わかっている」
 答えが欲しいわけじゃないあかりは吐き出したことでスッキリしたようだ。いつもの祖父の言葉に素直に頷いた。祖父はコホンとわざとらしい咳払いをする。

「悩みは解決したのか?」
「まだ迷ってはいるけど、竹刀振ったし、話を聞いてもらったからかな。悩んではいるけど、苦しくはないよ」
「……そうか」
 自分のアドバイスを必要としていない孫に、祖父はこころなしか寂しそうな顔を浮かべた。祖父のしょぼくれた姿にあかりは吹き出す。きっと前回帰省した時から力になりたくて堪らなかったのだろう。
 内外合わせて孫の中で女はあかりだけだから、一番可愛がっているのは事実だからだ。その分、あかりにだけ厳しい面を見せることもあるのだが。
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