モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
警官としての矜持
理貴には言葉を尽くした一方で、颯の連絡はあっさりとしたものだった。
結論が出るまでプライベートでは会わないとメッセージを送ったあかりに、颯からの返信も「了解」の一言だけ。
それだけで伝わるのだ、颯には。
颯とは、特別な関係になって積み重ねた年月がある。以心伝心とまではいわないが、端的なキャッチボールでも意図を違わず伝わる自信と信頼がある。
それは理貴との間にはまだ無いものであるし、たとえ恋人になったからといって築き上げられるものではない。
颯だから。颯とだから創り上げれた絆である。
同じ職場というのも大きいが、颯はあかりが理想とする警察官そのものというのも影響を与えているだろう。
多極的に物事を見て的確な判断を下す。きちんと組織のルールに準じた対応は、ブレることがない。それは経験もさることながら、プライベートでも勉強を怠らない颯の勤勉さがもたらしているのは、あかりも熟知している。
その颯が自分と結婚するなら仕事を辞めるとまでいうのだ。彼の中で、警察官で居続けるよりも譲れないことなのだろう。
颯と結婚し、その先に子どもを望むのであれば、どちらかは転職が必須になる。