モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
『だから僕は、あかりちゃんが警察官であるためにこの仕事を始めたんだ。社長になればある程度時間も仕事も自分の裁量でできるからね。それにお金も欲しかった。あかりちゃんが昔言っていたことを鵜呑みにしたわけじゃないけれど、あって困ることはないからね』
一旦言葉を区切ると、ごめん、と謝って理貴の声が遠くなる。なにか電話の向こうで喋るようなやり取りが交わされた後、再び理貴の声がした。
『ごめんね、このあと打ち合わせが入っていて』
謝罪をする理貴の声はあかりがよく聞いていたものに戻っていた。あかりは慌てて時計を見る。時計は昼の一時を指していた。
自身の都合で一方的に電話をしてしまったが、仕事をしているなら忙しい時間帯である。それも今日は月末の月曜日だ。
「ご、ごめん!」
謝るのは自分の方だと慌てて詫びたあかりに、理貴は笑いながら言う。
『さっきの話聞いていた? 僕はあかりちゃんの都合に合わせることが出来るからこの仕事にしたんだよ。気にしないで』