モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


「私は、……理貴を選びます。……ごめんなさい」
 謝ると同時に頭を下げたあかりはゆっくり三秒数えて顔を上げた。颯は疾うの昔にあかりの出す答えを知っていたかのような複雑な笑みを浮かべた。本音は聞きたくない、でも聞いておかないといけないという義務感のような口調で訊ねる。
「理由は?」
「私が対等でいられるのは、理貴の方だから」
 颯は少しだけ考えて、颯は自身の左肩をポンポンと叩く。
「このことが原因か?」
 そこは先日あかりを庇って受けた刺し傷がある場所だ。あかりはゆるく首を振った。
「気づくキッカケになったのは確かにあの時だけど。……別れ話をした時にはもう気持ちは離れていたんだと思う」
 あかりの告白に颯は目で先を促した。あかりは一口ミルクティーを飲んで、続きを口にする。
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