モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
我慢できないから
「あ、えっと……早……いね?」
あかりより遅れること十分。予想外に早い理貴の来訪に、心の準備ができていなかったあかりはしどろもどろになる。
それでも自分が誘ったからと、あかりは部屋に上がるように促した。
だけど理貴は首を横に振って玄関でいいと言い張るばかり。何往復か押し問答が続き、キレたのはあかりだった。
「ここでするような話じゃないから! いいから上がってって!」
あかりの言い分に理貴は珍しく、イラついた表情を向ける。その顔はどことなく赤い。
「……どうなっても知らないから」
ボソリと低い声で告げた理貴は、「お邪魔します」とようやく靴を脱いだのだった。