モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


「あかりちゃん」
「……なによ」
 若干へそを曲げているあかりは投げやりに答える。
「気持ち聞きたい」
「……っつ!」
 初めて聞く甘えるような声を出す理貴に、あかりは不覚にもドキッとしてしまう。
「ねぇ、教えて?」
「……」
「お願いだから……。俺のこと、好き?」
 小首を傾げるようにして、目だけは怖いくらい真剣に問いかける理貴に、負けたのはあかりだった。


「っつ……!! 好き! 好きだから! もうこれでいいでしょ!?」
 
 ヤケクソで叫ぶあかりの言葉に、理貴はみるみるうちに顔を赤く染めた。
「ちょ……待って。破壊力すごっ……」
 顔を片手で覆い照れた顔を見せないように顔を背けようとする理貴は、先程の強気の態度とは打って変わって子どもの頃、よく見た仕草と同じだ。
 あかりはもっとその仕草を見たくなる。
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