モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
それでもなんとか隙を見つけたあかりは理貴のキスから逃れると静止の言葉を発した。
「ちょっ……まっ……」
「ダメ。もう待てない」
理貴は片手でジャケットを脱ぎながらあかりに笑みを向けた。
「それに誘って来たのはあかりちゃんでしょ。ちゃんと僕は言ったよ。どうなっても知らないって。理性吹っ飛ぶって。煽った責任は取ってもらうからね」
「ひっ……あっ!」
カプッと首元を甘咬みされたあかりの口から素っ頓狂な声が出る。
「あかりちゃん。僕のことまだ幼馴染って見ているでしょう? 今日からはちゃんと恋人として見てもらうから」
理貴の手がネクタイにかかる。首元を緩めると、慣れた仕草でスッと外していく。
「ちょっ……まって!! ちゃんと恋人って見てるから! 明日仕事……!」
「奇遇だね。僕も仕事なんだ。だから……」
理貴は嬉しそうにこりと微笑んだ。
「ちゃんと手加減はするから」