モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています

 
「それじゃ不満?」
 
 今度は大きく喉を鳴らした理貴は、掠れた声で囁いた。
 
「……じゃない」
「え?」
 うまく聞き取れなかったあかりが聞き返すのと、理貴が覆いかぶさるのは同時だった。
「不満に思うわけないじゃん!」
 怒鳴るように言うと、噛み付くようにキスしてくる理貴を体で受け止めたあかりは、宥めるように呟いた。

「不安なら()()()()()()()()
 その言い方は、あかりの子どもの頃の口癖。クールダウンした理貴は苦笑いしつつ、あかりに文句を言う。
「もう子どもじゃないんだけど」
「一緒でしょ、今も」
 その言い方は理貴の何かに火をつけたようだ。
「じゃあ、大人になった証拠、見せよっか」
 あかりは服に手をかける理貴を慌てて静止する。

「ちょっ……! 理貴っ! 明日本番っ!!」
「知ってるよ」
 それでも理貴の動きは止まらない。
「明日式の前に婚姻届出しに行くし、朝はや……っつ!? ちょっ!!」
 首元に噛みつくように吸い付いた理貴にあかりは怒りの目を向ける。
「見えるじゃん!?」
「いいでしょ、別に」
「よくないって! ってか今日はシない!!」
 思いっきり突っぱねるあかりに理貴は残念そうな顔を浮かべるが、アッサリと手を引いた。
< 229 / 230 >

この作品をシェア

pagetop