モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
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幼馴染だった、というのは強い。どれだけ期間が空いていたとしても瞬時にあの頃に戻れる。
最初はぎくしゃくしていた会話も、お互いの近況を肴にして飲み食いした腹が満たされる頃には、昔のようなテンポに戻っていた。
「昨日は大丈夫だった?」
追加の飲み物を注文しながら、理貴はごく自然に切り出した。
「うん。ごめんね、早々に解散して」
詫びるあかりに理貴は首を振る。
「仕事柄、仕方ないよ。幸人もそうだし」
弟の名前が出てきたのを機に、あかりは再会してから知りたかったことを訊ねる。
「幸人とはずっとやり取りしていたの?」
「うん。引っ越してからずっと付き合いあったよ。僕、中学から大学までずっと剣道部に入っていたんだ。幸人も剣道部だったから大会で再会して。中学の頃は携帯しか持っていなかったし、そこまで頻繁に連絡はしていなかったけど、高校からはお互いスマホ持ち出したから結構マメにやり取りしてたかな」
「あー、なるほど」
幸人はマメな方じゃないから、きっと理貴から連絡を取り続けてくれたのだろう。
それよりあかりは、理貴が剣道を続けていたという事実のほうが嬉しかった。
「剣道、続けていたんだね」
「うん。福田先生のところは通えなくなったけど、剣道は好きだったから。結局大学までどっぷり浸かってた」