モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
なんで知ってるんだ!
あかりの質問に、理貴は瞬時に真顔になる。先程までの穏やかな空気とは一変して、張り詰めた雰囲気になる。
「冗談で言わない」
「それなら何でよ。ずっと会っていなかったじゃない」
「だから何? 会っていなかったら想いを伝えるのはダメなんだ?」
あかりは真剣に返答する理貴にため息をつく。冗談だと言ってもらったほうがどんなに楽か。
どうやらプロポーズしたのは本気らしい。
(困ったなぁ)
テキトーに言ってくるなら、こちらもあしらって済むのに。本気のヤツなら真剣に答えないといけなくなる。
あかりの心の葛藤をよそに、理貴は口を開いた。
「あかりちゃんが初恋なんだよね、僕」
あっそう、とつぶやきそうになったが、気力で引っ込めてあかりは神妙に頷く。
それがなんでいきなりのプロポーズになるか分からないし、顔面偏差値は高いのに初恋を拗らせているなんて人格になにかあるのか。そこまで考えたあかりは背筋が寒くなった。
(ちょっと待ってよ、理貴くん。そういう人がいきなりストーカーになったり、いきなりブスッと刺したりするんだよ……)