モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
そう考えてしまうのはすっかり警察の、生活安全課に染まっていることにあかりは気づいていない。
理貴はあかりの心の声を知る由もなく、にこやかな笑みを浮かべてプロポーズに至った経緯を話しだした。
「まぁ正直いうと、勢いも相まって……」
「勢い!?!?」
「うん。あ、もちろん気持ちはウソじゃないよ。でももう少し段階踏んで進めようと思ったんだけど、気持ちが先走ったかな」
わざとらしいにこやかな笑みを浮かべて語る理貴にあかりは少し引き気味だ。酔いもスッカリ冷めてしまった。
そんなあかりの様子を見て、理貴は嘘だよ、と真顔に戻る。
その時だ。テーブルの上に置いていた理貴の両手が組まれるのをあかりは見逃さなかった。
昔と変わっていないのであれば、手を組むのは理貴が本気で何かを伝えたい時のクセである。少なくとも、雰囲気を重くしないように軽い口調で話してはいるが、理貴の目は真剣そのものだった。
それなら、とあかりはひとまず理貴の話を聞くことにした。
あかりが聞く姿勢になったのを見て取った理貴は、両手を固く握ったままゆっくりと口を開いた。