モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
「理貴とは付き合う気になれないんだよなぁ」
「なんでよ。スペックいいじゃん。山科主任より断然お金持ってるじゃん」
「いや、だってあの理貴だよ?」
「あの理貴って言われてもわかんないよ。私は知らないんだから」
結は呆れた様子だ。あかりは何とか自分の中の理貴を伝えようと言葉を重ねる。
「だって昔からひょろひょろだし」
そうか?と結は携帯を手に取り理貴の画像を検索する。
いくつか画像を見た結は、「贅沢言うな」とピシャリと告げた。
「そりゃあ、アンタんとこみたいに小さい頃から周りに警察官がいたらそう見えるだろうし、山科主任も機動隊上がりだからガタイがいいのが好きなのはわかるけど。彼もいい身体してるじゃん」
「え?そうかな?」
あかりから見ると、理貴は細い。
理貴も剣道していたからソコソコ筋肉はあるし、肩幅もあるけれど、全体的に線が細いのだ。
あかりの言葉を聞いた結は今日一番大きいため息をついた。
「……アンタ、もうゴリラと結婚したら?」
結の投げやりな言葉にあかりは「勘弁して」と呟くしかなかったのだった。