モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
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あかりが決死の思いで送ったメッセージが意味をなさなかったと知ったのは、数日後のことだった。
知らされたのは半年に一度ある上司との定期面談の日である。面談といっても堅苦しいものではなく、ラフな感じで行われるもので、簡単にいえば仕事の悩みやプライベートの報告をする場である。
とはいえ、伝える相手は早野である。ざっくばらんに話す早野をあかりは上官として尊敬していたし、ムダな気遣いも不要である。
いつものようにサッサと終わるものだと気楽に構えていた。
(報告することもないし、サクッと終わるでしょ)
颯と別れたことは既に二ヶ月前に臨時で報告済みだし、その後理貴と飲みに行っていることも雑談の中で伝えている。
あるとしてもせいぜい金銭面のチェックくらいだろう。
未決裁の書類が溜まっているからサッサと終わらせよう。そう思って臨んだ面談だったのに、思いの外長引くことになったのは、早野の一言のせいだった。