モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
「じゃあ山科警部補とはどうなの? ちゃんと別れてる? ってか、別れた?」
突然のことに息を吸うのを忘れたあかりは、ぐっと言葉に詰まる。
そこでようやく、あー、今日の本題はこれか、とあかりは察したのだ。
ぐっと、奥歯を噛み締めたあかりは、用心深く言葉を発した。
「別れていると私は認識しています。何かありましたか?」
「山科警部補は別れは納得してないって言ってるらしいよ」
「え? マジで!?」
「マジなのよ、これが」
しまった、心で叫んだつもりが口に出ていた。
だけど早野はそこをアッサリと流して、困ったねぇと肘をつく。
「ぼくとしてもね、あかりの言い分を信じてはいるんだけどさ、向こうの方が階級高いでしょ?
どうなっているんだ、と聞かれたところで何も言えなくてね。だからその辺キレイにしときたいわけ。ということで、早めに山科くんと話しといてね」