モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
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「よう」
わざわざ予定を合わせてあげたのに、案の定遅れてきた颯はあかりの隣に座ると、早速ビールを注文する。
「お久しぶりです」
他人行儀に答えるあかりに颯は真顔を向ける。
何考えているかわからない顔。付き合っているときは表情が読めなくて散々悩まされて来たけれど、別れた今となってはなんとも感じないから不思議だ。
「別れましたよね、私達」
「おまえ、デリカシーねぇな」
颯の頼んだビールが届く前に本題を切り出すあかりに、颯は顔をしかめる。ちょうどその時ビールが届いた。
「まずは乾杯だろうよ」
そう颯に言われたらあかりは従うしかない。付き合っていてもいなくても、警部補の颯は巡査部長のあかりより階級上なのだ。
あぁ、悲しきかな縦社会。
あかりはしぶしぶながらも、颯とジョッキを合わせた。