モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています
颯の好きな、微糖の缶コーヒー。ブラック派なあかりの家にずっと残っていたもの。
付き合っていた時と同じ場所に座って同じように飲む姿をみると、本当に別れているのか分からなくなる。
(あれだけ考えて別れたのに……)
結婚を決意してくれない以外にも、すれ違いがあって別れたはずなのに。
油断すると気持ちが持っていかれそうになる。
「オレは……」
あかりが冷静さを取り戻したのを表情から読み取った颯が口を開く。
「本音は結婚したら家庭に入ってほしい。なんだかんだ言いながら危険を伴う仕事だしな」
わかるだろ、という颯にあかりは頷しかなかった。
先程も会話もそうだが、危険とは常に隣り合わせの職なのだ健全な職場であると広報しているが、最悪殉職する可能性だってある。
女性警官が増えて来ているとはいえ、まだまだ男性の組織であるし、警察官とだけで親の仇のように憎んでくる民間人も一定数いる。特に女性は女というだけで、そういうヤカラに侮られる。