モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 最初は夢と希望を抱いて憧れて入ってきても、女性というだけで理不尽な目に遭うことも多いのだ。
 溜まりに溜まってある時プッツリと辞めてしまう。
 あるいは結婚を機に逃げるように退社したり。
 あかりもそういう同僚をたくさん見てきたし、一歩間違えれば自分もそうなっていた。

 あかりの思考を遮るように、颯は深いため息をつく。それは、何かを後悔しているようにあかりには聞こえた。
「オレは……一旦あかりが辞めるのを留めた責任がある。だから今更結婚するからお前に仕事を辞めろなんて言えないだろ」
 颯の言葉には、過去の自分への苛立ちが混ざっているようだ。

 あかりは、思い返す。
 本郷の交番勤務の時の出来事だ。
 辞めようと考えているあかりを颯と久保が止めたのだ。
 そのことがキッカケであかりは颯に好意を持つことになったのだが。
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