モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 あかりが直接話しているのは二人。上司の早野と同期の結だ。間接的に兄の雅人は幸人経由で知っているだろうし、理貴と会う時に一度使った安居酒屋は同じ所轄の人間もよく利用する店だ。
 あかりが颯じゃない男と一緒にいるのを誰かに見られていてもおかしくない。
 どこまで聞いているのかわからないが、颯が既に知っている以上、犯人探しをしても仕方ないのにあかりは考え込んでしまう。

「あかり」
 いつの間にか颯があかりの横に来ている。
 心臓がドキッと高鳴る。
(なんで刑事って気配消せるの!?)
 颯は後退りするあかりの腕を掴むと軽く引っ張る。
 軽く、とはいってもガタイの良い警官だ。いくらあかりが鍛えているといっても体勢が崩れるくらいの力はかかる。
 おのずと颯の胸に飛び込むような姿勢になってしまう。
 胸におさまったあかりを颯は抱きしめた。
< 74 / 230 >

この作品をシェア

pagetop