モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています




 せっかく来たから散歩がてらに、と理貴に促され池までやってきた二人は、近くに空いているベンチを見つけて並んで腰掛けた。
 動物園からここまで結構な距離だ。普段から走り回っているとはいえ、さすがに疲れを感じている。
 カフェは満席で座れなかったこともあり、そのベンチでしばし休憩を取ることにしたのだ。足を伸ばし、お互いにまだ冷たいままのドリンクを飲む。
 まだかろうじて春だが、ひなたにいると汗ばむくらいの陽気だからか、平日の夕方近くだからか。日が当たるところにあるベンチにはあかり達の他に誰もいない。

 喉を潤しお互いに一息ついた頃、さっき笑われた仕返しとばかりに理貴があかりに言った。
「あかりちゃん、夢中になっていたね。動物、可愛かった?」
「……うるさい」
 展示スペースギリギリにまで顔を近づけて動物の姿を探している姿を何度理貴に笑われたことか。
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