モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


 あかりの心の内などつゆ知らず、理貴はいささか緊張した面内でぶっ込んできた。

「元カレさんとは結婚の話でなかったの?」
「ぶっほっ!」
 いきなりぶっ込んできた理貴に驚いたあかりは、飲んでいたアイスラテが気管に入ってむせてしまった。
 
 そのワードは、今のあかりには禁句だ。
 
 激しく咳き込みながらも理貴を睨みつける。
 理貴は咳き込むあかりを落ち着かせるように、背中を撫でながらも追求の手は休めない。
「警官ってみんな早くに結婚するでしょ。あかりちゃん自身も警察官だし。話、全くなかったの?」

 むせながらも、あかり咄嗟には周りに人がいないか確認する。
 外で「警察」のワードを出すのはあまりよろしくない。
 誰が聞いているかわからないからだ。
 理貴も幸人と付き合いもあるし、あかりも会うたびに念押ししているから、言動には気を配ってくれているのだが。
 硬く拳を握っている理貴は、今自分が口にした言葉に気づいている様子はない。
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