モテ期なんて聞いていない!ー若手実業家社長の幼馴染と元カレ刑事に求婚されています


(もう一度、言わないと)

 警官同士なら徹底して外では口にしないが、理貴は一般人だ。
 迂闊な会話をさせているのは、あかりにも一因がある。
 改めて言い含めておこうと思いながら、あかりは周りを素早く観察すると安堵のため息をついた。
 幸か不幸か、近くには誰もいなかった。
こういうときに咄嗟に周りの状況を確認する自分は、とことん警察官に染まっている。

「理貴、職業の名称は出さないでもらえると嬉しいんだけど」
 あかりの申し出に理貴は、ハッとしたようだ。「ごめん」と素直に詫びる理貴に頷き、あかりは話題を変えようと口を開く。

「このあと、どうする?どこかで早めの夕飯でも食べる?」

 あかりの提案に一瞬嬉しそうに眉を上げた理貴だが、思い直したように表情を引き締める。
 話をそらそうとしたあかりの意図を察したようだ。
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