失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
「ありがとう、お姉ちゃん。そういえば光輝さん、相変わらず忙しいんだね。離れて暮らさないとならないほどに」
ここに来る連絡をする際に、可南子にはマンションの件で光輝さんと今別居している話はしていた。
「う、うん」
可南子のつわりも落ち着き、光輝さんと会う段取りをつけたいと思っていたが、今度は彼の仕事が忙しくなった。
「お姉ちゃん、寂しいんじゃない?」
「そんなことないよ! 彼の仕事の忙しさはわかっているし、それを理解したうえで結婚も……」
我ながらどうも歯切れが悪い。妹はわざとらしく肩をすくめた。その姿に、白状する。
「本当は、寂しいの」
「うん。あたり前だよ。好きな人と離れたら、誰だってそう感じるんじゃない?」
あたり前だ、と言われホッとする。こんな感情を抱くのはいけないと、どこかでずっと自分を責めていたから。
「お姉ちゃんがそうやって、感情を抑えるようになったのって私のせいでもあるよね。子どもの頃、両親に甘えられない私を必死になだめてくれたけれど、本当はお姉ちゃんだって寂しくて甘えたかったのに……」
お店を軌道にのせるまで両親は必死で働き、その忙しさから私たち姉妹が寂しい思いをすることも多々あった。土日もお店を開けているので、なかなか遠出も叶わず、それでも愛情はたっぷり注がれ、私たちのために必死に両親が働いているのは理解していた。
でも、それとこれとは別で、頭でわかっていても感情がついていかないときもある。
「可南子のせいじゃないよ。これはもう性分というか……」
「でも、いつかお姉ちゃんの子どもが生まれたときに、お母さんがお父さんに遠慮して本音を言えないなら、子どもだって素直に甘えられなくなっちゃうよ?」
可南子の指摘に目を瞠る。妹はそっと腹部をなでた。
ここに来る連絡をする際に、可南子にはマンションの件で光輝さんと今別居している話はしていた。
「う、うん」
可南子のつわりも落ち着き、光輝さんと会う段取りをつけたいと思っていたが、今度は彼の仕事が忙しくなった。
「お姉ちゃん、寂しいんじゃない?」
「そんなことないよ! 彼の仕事の忙しさはわかっているし、それを理解したうえで結婚も……」
我ながらどうも歯切れが悪い。妹はわざとらしく肩をすくめた。その姿に、白状する。
「本当は、寂しいの」
「うん。あたり前だよ。好きな人と離れたら、誰だってそう感じるんじゃない?」
あたり前だ、と言われホッとする。こんな感情を抱くのはいけないと、どこかでずっと自分を責めていたから。
「お姉ちゃんがそうやって、感情を抑えるようになったのって私のせいでもあるよね。子どもの頃、両親に甘えられない私を必死になだめてくれたけれど、本当はお姉ちゃんだって寂しくて甘えたかったのに……」
お店を軌道にのせるまで両親は必死で働き、その忙しさから私たち姉妹が寂しい思いをすることも多々あった。土日もお店を開けているので、なかなか遠出も叶わず、それでも愛情はたっぷり注がれ、私たちのために必死に両親が働いているのは理解していた。
でも、それとこれとは別で、頭でわかっていても感情がついていかないときもある。
「可南子のせいじゃないよ。これはもう性分というか……」
「でも、いつかお姉ちゃんの子どもが生まれたときに、お母さんがお父さんに遠慮して本音を言えないなら、子どもだって素直に甘えられなくなっちゃうよ?」
可南子の指摘に目を瞠る。妹はそっと腹部をなでた。