失恋相手と今日からニセモノ夫婦はじめます~愛なき結婚をした警視正に実は溺愛されていました~
大丈夫。前もなんだかんだで結局は立ち直った。何事もなく彼と結婚だってしている始末だ。
でも……さすがに二回目は難しいかもしれない。
視界がぼやけて、必死に目もとを拭う。だって、あの頃よりも今の方がずっと光輝さんを好きになっている。淡い初恋が、今でははっきりと彼を愛していると言える。
光輝さんは求めていないのに……。
薄暗くなったとはいえ、道行く人に泣いているのを見られたくなくて、私はさりげなく人がいなそうな細い路地裏に入った。
身を隠すようにして暗い奥まで進み、大きく息を吐く。落ち着くまで、ここでいよう。バッグからハンカチを取り出そうとした、そのときだった。
背後に人の気配を感じ振り返ったのと同時に強く背中を壁に押しつけられ、衝撃と痛みに混乱する間もなく、続けて手で口を塞がれ頭を壁にぶつける。
鈍い痛みに眉をひそめ、さらには口を塞いでいる男の手の感触が気持ち悪い。けれど今は、それよりも恐怖心が勝った。
混乱のさなか、視界に捉えた人物に私は硬直する。
知り合いではない。でも見覚えがある。今日、実家に行く途中に目が合ったフードをかぶった男性だった。二十代か、はたまともっと若いのか。
男性は目がすわっていて鋭い眼光でこちらを睨みつけてくる、尋常ではない雰囲気に体が震え、歯の根が合わない。
私、どうなるの? 彼は何者なの?
次々と疑問が湧くが、声が出せなかった。足がすくみ、その場にへたり込みそうになる。
でも……さすがに二回目は難しいかもしれない。
視界がぼやけて、必死に目もとを拭う。だって、あの頃よりも今の方がずっと光輝さんを好きになっている。淡い初恋が、今でははっきりと彼を愛していると言える。
光輝さんは求めていないのに……。
薄暗くなったとはいえ、道行く人に泣いているのを見られたくなくて、私はさりげなく人がいなそうな細い路地裏に入った。
身を隠すようにして暗い奥まで進み、大きく息を吐く。落ち着くまで、ここでいよう。バッグからハンカチを取り出そうとした、そのときだった。
背後に人の気配を感じ振り返ったのと同時に強く背中を壁に押しつけられ、衝撃と痛みに混乱する間もなく、続けて手で口を塞がれ頭を壁にぶつける。
鈍い痛みに眉をひそめ、さらには口を塞いでいる男の手の感触が気持ち悪い。けれど今は、それよりも恐怖心が勝った。
混乱のさなか、視界に捉えた人物に私は硬直する。
知り合いではない。でも見覚えがある。今日、実家に行く途中に目が合ったフードをかぶった男性だった。二十代か、はたまともっと若いのか。
男性は目がすわっていて鋭い眼光でこちらを睨みつけてくる、尋常ではない雰囲気に体が震え、歯の根が合わない。
私、どうなるの? 彼は何者なの?
次々と疑問が湧くが、声が出せなかった。足がすくみ、その場にへたり込みそうになる。