恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
……そうだった。


眞玖はいつだって俺の本心を知りたがっていたし、きっとどんな姿の俺を見ても嫌わないとわかっていたはずなのに。


俺はどこでボタンをかけ間違えてしまったのか。


「大事な相手に落ち着いた態度で、カッコつけたいのはよくわかる。でもそれですれ違っていたら元も子もないだろう」


淡々とした口調で親友は話を続ける。


「俺の知っている長谷部は、真面目で穏やかな性格だが頑固なところもある。匡の囲い込み計画に賛同するかどうかは疑問だぞ。匡は練り上げた長年の計画を遂行しているつもりだろうが、長谷部にとったら変化が一気に押し寄せているんだ。戸惑うのも当然だ」


「……そうだな。宰には話していたが、眞玖にはこの数年の俺の気持ちも、考えもまったく話していなかった」


「基本的な問題にやっと気づいたか?」


眞玖の立場からみれば、突然帰国した俺に告白され、強引に婚約者にされた。

離れていた空白の時間の説明も、今寄り添うための時間もなかった。

訳がわからないうえ、どれだけ不安だっただろう。

自分の愚行に今さらながら腹が立つ。
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