恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
力が抜け、握っていた匡の指が外れると同時に、匡が私の腰を両手でグッと引き寄せた。

お互いの隙間がないくらいに密着しあい、閉じた目から涙が伝い落ちた。


「俺がどれだけ、眞玖を好きか知ってる?」


目尻に残る涙を彼の唇が優しく拭い、頬と鼻にもキスが落とされた。


「眞玖が考える以上に俺は眞玖を想っている。ずっと腕に抱きしめて離したくないって何度願ったと思う?」


綺麗な二重の目に真剣さが滲む。

真っすぐに射抜かれ、頬がじんわりと熱くなる。


「眞玖の泣き顔、可愛い」


「可愛くなんか……」


「可愛いよ。頼むからその姿を俺以外の男に見せるなよ」


甘すぎる台詞に、体温がどんどん上昇する。

絶妙のタイミングでエレベーターが最上階に到着する。


「ずっとキスをしていたいけど、さすがに移動するか」


どこか名残惜しそうにつぶやく彼にハッとする。

エレベーター内でキスをしていたなんて、恥ずかしすぎて穴があったら入りたい。


「眞玖の可愛い表情を、ほかの人間に見せるわけないだろ?」

しれっと言い放つ彼は、つい先ほど、落ち込んで弱々しく見えていた男性と同一人物とは思えない。
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