恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「お疲れ様です、戸田(とだ)さん」


「あら長谷部さん。お疲れ様です」


私より四歳年上の戸田さんの肌艶、化粧、髪型は常に完璧で、羨ましい。


「明日、内川(うちかわ)商事様が来訪されましたら連絡をいただけますか?」

「わかりました。時間は決まっていますか?」


いつも通りの仕事の話がひと通り終わった後、戸田さんがニッと口角を上げた。


「さっき藤宮商事の新副社長が来訪されてたけど会った?」


「……いえ、まだ」


戸田さんは私たち三人が旧友だと知っている。

そのため、今日の集まりについて深く詮索されないよう、当たり障りのない返答をする。


「秘書らしき女性が帰社するよう言われていたけれど……同席しないなんて珍しいわね」


戸田さんが訝し気に首を傾げる。


「しかも藤宮副社長の指示に一瞬だけど、不機嫌そうな表情を浮かべていたのよ」


「どんな女性だったか特徴を教えていただけますか?」


私の問いかけに戸田さんは丁寧に教えてくれた。

どうやら五十嵐さんのようだ。


「後々トラブルがあっても困るし、もしなにかわかったら教えてちょうだい」


戸田さんの要望に了承した後、高層階用エレベーターで専務室に向かった。

藤宮くんに会うのはパーティーの日以来だ。

閉ざされた空間にひとりになった途端、心が忙しなく動きだす。
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