恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「眞玖、いくらモニターだからって、明らかに興味のない態度をとっちゃダメよ」


心配性な親友が苦言を呈す。


「仕事の一環だし、そんなあからさまな真似はしません」


「念のためよ。それと初対面の男性と話してどう感じるか、きちんと確認するのよ」


蘭が真剣な口調で続ける。


「自分の恋心が思い込みかどうか、しっかり見極めて。その人の一挙手一投足から目が離せなくなるか、とかね。恋は考えてするものじゃないんだから」


フフと親友が口角を上げたとき、電車がホームに滑り込んできた。

蘭の助言を頭の中で反芻して、足を踏み出す。



きらびやかな照明と豪華な花がいくつも飾られた筒見ホテルの会場は婚活パーティーの場というより披露宴会場のようだった。

手荷物をクロークに預けた後、受付をすませ、会場内に足を進める。

司会者が挨拶と今日の流れを簡単に説明し、パーティーが始まった。

会場内を見回せば、様々な年齢層の男女が思い思いに会話を開始している。

ここでは参加者三十名を男女それぞれ四名ずつ、合計八名のグループに分け、時間ごとにメンバーを交代していく段取りになっている。

とはいえ、全員がモニターなのでそれほど緊張感も漂っていない。

失礼な言い方かもしれないが、婚活パーティーというものの良い勉強になる。

主催者の配慮なのか、私と蘭は同じグループだった。

蘭はすでに同じグループ内の男性に積極的に話しかけている。
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