恋慕~再会した強引御曹司に甘く囚われて~
「帰るよ、眞玖」
前を見据えたまま、藤宮くんが硬い声で宣言する。
「待って。蘭が一緒だし、主催者の方へのご挨拶もあるから」
「眞玖の友人にはさっき会った。主催者への挨拶はすでに済ませてあるらしく、眞玖を連れ帰るのを快く了承してくれたよ。もちろん彼女の帰りはうちの秘書に送らせる」
「いつの間に……」
見事な手回しに舌を巻く。
いつからこの会場内にいたのだろうか。
蘭には後できちんと謝ろうと心の中で独りごちる。
「秘書って五十嵐さん?」
「……いや、うちの秘書室長」
「そう」
五十嵐さんと一緒ではなかったのか、とこんな状況なのにホッとする身勝手な自分がいる。
そういえば、先ほどの男性も五十嵐さんだったな、と頭の片隅でふと思った。
「まったく……どこもかしこも罠だらけだな。さっさと帰ろう」
うんざりした表情を浮かべる彼を不思議に思いつつ、話題を変える。
「いつ、帰国したの?」
少しでも雰囲気を和らげたくて、努めて穏やかに話しかける。
「今日の夕方過ぎ。そのまま会社に向かって仕事をしていたら親友からこの話を聞かされた」
淡々とした口調に墓穴を掘ったと悟る。
そもそもなんでうちの専務は、私の行動を把握しているのか。
前を見据えたまま、藤宮くんが硬い声で宣言する。
「待って。蘭が一緒だし、主催者の方へのご挨拶もあるから」
「眞玖の友人にはさっき会った。主催者への挨拶はすでに済ませてあるらしく、眞玖を連れ帰るのを快く了承してくれたよ。もちろん彼女の帰りはうちの秘書に送らせる」
「いつの間に……」
見事な手回しに舌を巻く。
いつからこの会場内にいたのだろうか。
蘭には後できちんと謝ろうと心の中で独りごちる。
「秘書って五十嵐さん?」
「……いや、うちの秘書室長」
「そう」
五十嵐さんと一緒ではなかったのか、とこんな状況なのにホッとする身勝手な自分がいる。
そういえば、先ほどの男性も五十嵐さんだったな、と頭の片隅でふと思った。
「まったく……どこもかしこも罠だらけだな。さっさと帰ろう」
うんざりした表情を浮かべる彼を不思議に思いつつ、話題を変える。
「いつ、帰国したの?」
少しでも雰囲気を和らげたくて、努めて穏やかに話しかける。
「今日の夕方過ぎ。そのまま会社に向かって仕事をしていたら親友からこの話を聞かされた」
淡々とした口調に墓穴を掘ったと悟る。
そもそもなんでうちの専務は、私の行動を把握しているのか。