私達、犬猿の仲ですよね? 原作知識なしの悪役令嬢が許嫁解消したら、執着ツンデレ系の第二王子から求婚されました!
 ほんと、用意周到と言うか……。なんと言うか……。
 この国に、恨みを持ちすぎでしょ?
 どんだけ人々を呪い殺したいんだろうね? この術者は。
 それとも私を、過労死させたいとか?
 目の上のたんこぶって感じだもんね。刺される日も、近いかも。

 なんて、一仕事終えた私が弱音を吐けば……。

「死にたくないなぁ……」
「物騒な発言を、するでない!」
「あいたっ!」

 それを耳にしたラボ長は、瞳を釣り上げて私の頭を叩く。

「暴力反対!」

 涙目で睨みつけてやったところで、痛くも痒くないようだ。
 両腕を胸の前で組んで仁王立ちしたラボ長は、私が耳にしたくない男の名前を口にした。

「君が命を落としたら、我らがレオドール殿下にどやされるのだ。冗談でも、二度と口にするな!」

 ーー上司からの凄い剣幕で怒鳴りつけられた私は、あいつの名を聞いて辟易する。

 レオドール・リスティムルク。
 私の元許嫁、アルベールの弟。
 この国の第二王子で、ラボ長を師匠と慕う騎士団長だった。
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